
字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)
太田 直子
累計読者数8
平均ハイライト数 13.5件/人
star総合評価 53/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 26%
この本について
仕事でも日常でも、言葉を選ぶたびに「これで伝わるのかな」「変に聞こえないかな」と妙に神経質になってしまうことがあります。丁寧にしようとして言い換えすぎてモヤモヤしたり、逆に勢いで書いて後から違和感に気づいたり。そんなとき、言葉ってこんなに面倒だったっけと途方に暮れるんですよね。 この本は、字幕翻訳という極端に“制限の多い現場”で著者がどう言葉と向き合ってきたかが具体的に語られています。たとえば俳優の口の形に合わせて訳語を変える話や、笑いのタイミングがずれる問題は、言葉が単なる意味の置き換えじゃないことを思い出させてくれます。禁止語や表現の配慮に振り回される場面の描写も、生々しいのにどこか肩の力が抜ける。読んでいると、自分が日常で抱えている「言い換え地獄」や「間違えたらどうしよう」という緊張が少しやわらぐんです。 そして何より効くのは、著者が“知らないことは恥じゃない”という姿勢を徹底しているところ。調べる、確かめる、迷ったら人に聞く。それだけで言葉の不安は案外減っていくんだ、と素直に思えます。言葉を扱う仕事の人だけでなく、「表現に自信が持てないまま日々書いたり話したりしている人」に刺さる一冊でした。
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