
マレーシアにきて8年で子どもはどう変わったか (サウスイーストプレス)
野本響子
この本について
子どもの教育って、正解があるようで見えないまま進んでいく感じがありますよね。学校選びも、「どこが合うんだろう」「そもそも何を基準にすればいいんだろう」と迷うばかりで、結局“普通”に合わせておくのが安全に思えてしまう。でも、ふとした瞬間に「うちの子、このままで楽しいのかな」と不安になることもあると思います。 この本は、そんなモヤモヤに対して「別の基準があってもいいんだな」と、肩の力が抜ける視点をくれる一冊でした。マレーシアの学校生活が特別にキラキラしているからではなくて、子どもが自分のペースで学べたり、得意不得意をそのまま受け止めてもらえたり、先生によって評価がまったく違う姿がそのまま描かれているところが効きます。TED EdやVsauceを見て科学談義をしていたり、ジュース販売で寄付金を集めたり、試験はしっかりあるけれど教科書は使わず自分で調べる授業があったり…。日本ではあまり見ない学びの形が、意外と地に足のついた形で成り立っているんです。 読んでいて特に刺さったのは、親が何か壮大な教育哲学を掲げる必要はなくて、「子どもが楽しそうか」を軸にして転校すらサクッと決めていく家庭が案外たくさんいることでした。好きなものや向いているものなんて、やってみないと分からない。だから深刻に構えず、合わなければ動けばいい。その軽やかさが、今の日本の窮屈さに悩む人ほど響く気がします。 「いまの環境がしっくりきていないけれど、じゃあ何を変えればいいのか分からない」という人に、とても相性のいい本だと思います。読んだ後、自分の選択肢がひとつ増える感じがしました。
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