
「探究」する学びをつくる
藤原 さと
平凡社 / 2020-12-02
この本について
学校や教育の話って、自分の子どもがいなくても、なぜか胸の奥がざわつくことがあります。自分が受けてきた学びの限界を思い出したり、「結局、何を身につければよかったんだろう」と大人になってから考え込んでしまったり。知識を覚えるだけでは足りないのは分かっているのに、じゃあ何をどう変えればいいのか…そこで止まってしまう人は多い気がします。 この本が面白いのは、ふわっとした理想論ではなく、ハイ・テック・ハイという実在する学校の“現実”から考え始めるところです。多様な子どもたちが混ざり合い、プロジェクト型学習と暗記型の学びの両方をどう扱っているのか。その裏にある「探究」という視点が、ただの教育論ではなく、私たち自身の学び直しにもつながってくるんです。特に、他人や環境のせいにしがちな気持ちから一歩抜け出したいとき、「幸福の源は自分のなかにある」というルソーの言葉が、妙に落ち着く場所をつくってくれます。 もうひとつ刺さったのは、「公正」の考え方。誰もが価値ある存在だと感じられる環境をどうつくるかは、教育に限らず、仕事でも家庭でも避けて通れないテーマです。批評し合うときの態度や、声が受け取られる場のつくり方など、日常にそのまま持ち帰れる視点が多いのもありがたいところです。 教育者向けの本と思われがちですが、「学びをどう再設計するか」を自分ごととして考えたい人にこそしっくりくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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