
学問としての教育学
苫野 一徳
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推定読了時間 約4時間48分
star総合評価 63/100
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この本について
教育について考えると、どうしてこんなに“立場の対立”ばかりなのかと、正直うんざりすることがあります。協同学習がいいとか、個別最適がいいとか、メソッド同士が好き嫌いレベルでぶつかり合って、結局「で、自分はどう考えればいいの?」というところで足が止まる。現場で働いていなくても、このモヤモヤはずっとつきまといます。 『学問としての教育学』は、この混乱をいきなり整理しようとせず、一度“構え”そのものを疑うところから始めます。科学とは何を明らかにする営みなのか、なぜ私たちは〈自由〉に向かってしまうのか、価値観が対立するとき何をよりどころにすればいいのか。こうした根っこの部分を、現象学やヘーゲル、アーレントらの議論を使いながら、落ち着いたトーンで解きほぐしてくれます。教育メソッドの比較ではなく、「そもそも何を良しとするのか」を考えるための足場をくれる感じです。 読み進めるうちに、対立を相対化するだけでなく、「自由の相互承認」という軸を置いたとき、異なる実践をどう応用しうるかという視点が少しずつ定まってきます。オランダと日本は違う、で思考停止しがちな場面でも、じゃあ何が本質で、どこが調整可能なのかを考える余地が生まれていく。本の効き方は即効性ではないですが、思考の迷路に出口をつくってくれる一冊でした。 教育の議論に疲れつつも、まだ手放したくない人に刺さる本だと思います。
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出版社による紹介
「よい」教育とは何か。教育学はいかに「科学」たりうるか。有効な実践理論・方法をいかに開発するか。―そのすべてに“答え”を出す
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