
方舟
夕木春央
講談社 / 2022-09-08
累計読者数15
平均ハイライト数 7.2件/人
推定読了時間 約4時間22分
star総合評価 51/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 44%
この本について
日常で、自分の“正しさ”に自信が持てなくなる瞬間ってありませんか。誰かの気持ちを思えば思うほど判断が濁ったり、逆に割り切ろうとすると罪悪感がつきまとったり。僕もよくそこで立ち止まります。 『方舟』を読んで印象に残るのは、極限状況の中で人の価値や罪がどれだけ揺らいでいくか、その迷いがとても生々しく描かれているところです。誰かの死に方を比べてしまう後ろめたさとか、“みんなのために犠牲になる人は本当に一番悪いのか”というような、普段は口にしづらい問いが静かに迫ってきます。読者が抜き出した場面からも、残酷さより「判断の曖昧さ」に心が動いているのが伝わってきました。 読んでいると、自分ならどうするのかを考えざるを得なくて、そのたびに視点が少しずつ揺れます。愛されていない人の命は軽いのか、理性的でいることは正しいのか、生き延びたいと願うだけで人は責められるのか。そういう“どちらにも転ぶ”問いに向き合うことで、日常のあいまいな悩みにも別の角度が生まれる感じがしました。 極限の密室ミステリではあるのですが、単なる刺激ではなく、判断や善悪に疲れた人が読むと静かに効いてきます。特に、自分の選択にいつも迷いが残るタイプの人には刺さると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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出版社による紹介
週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位! MRC大賞2022第1位! 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。 そんな矢先に殺人が起こった。 だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。 タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
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