
十戒 (講談社文庫)
夕木春央
講談社 / 2025-08-08
累計読者数12
平均ハイライト数 4.7件/人
推定読了時間 約4時間19分
star総合評価 47/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 45%
この本について
仕事でも日常でも、「自分の身に何が起きているのか分からないまま、決められたことだけを淡々とこなす時間」ってありますよね。正しいかどうかも分からないけれど、とりあえず従うしかない。あのモヤモヤした感覚に、妙に心がざわつく人は多いと思います。 夕木春央『十戒』の抜粋を読むと、まさにその“従わされる側”の緊張が、細かすぎるほどの指示の連続で描かれています。ドアの開閉の順番、貝殻で出入りを監視される状況、死体に触れてはいけないという妙な制約。読み進めるほどに、理不尽さに耐えるときの「自分の思考がだんだん奪われていく感じ」がリアルに思い出されました。これが、単なるスリルとは違う種類の居心地の悪さで、意外と自分の生活にも同じ“手触り”があることに気づかされます。 個人的には、登場人物たちが“正しさ”より“生き延びるための合意”を優先させていく流れに、妙な現実味を感じました。職場でも家族でも、状況が極端になるほど、人は合理性よりも「目の前のルール」に縛られていく。この本は、その空気を極限まで押し詰めて見せてくれます。 自分の判断に自信が持てない時期や、「なんでこんなことしてるんだろう」とふと立ち止まってしまう人には特に刺さると思います。物語としての緊張感はもちろん、息苦しさの正体に気づける一冊でした。
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出版社による紹介
浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。 島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。 島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。 “この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。 犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。 『方舟』夕木春央の傑作が待望の文庫化!週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)、国内部門&MRC大賞2022など4冠、累計40万部突破、、、、世の読書子を唸らせた『方舟』の衝撃が再び……!
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