
運動脳
アンデシュ・ハンセン and 御舩 由美子
サンマーク出版 / 2022-08-19
この本について
気持ちが落ち着かない日や、仕事に向かう前から集中が切れている日ってありますよね。自分の根性の問題なのか、それとも歳のせいなのか…と考えがちですが、どうやら脳のほうが環境についていけていないだけ、ということもあるようです。僕自身も「最近、判断が鈍いな」と感じたときに、この本の一節を見つけてドキッとしました。「身体を動かすと脳は物理的に変わる」という、あまりにシンプルで逃げ場のない事実です。 読み進めると、ウォーキングやランニングのような有酸素運動が、前頭葉や海馬を実際に強化し、記憶力や集中力の土台をつくってくれることが淡々と示されていきます。単なる気分転換ではなく、心拍数が上がることでドーパミンやBDNFが放出され、脳が若返り、ストレス物質を処理する筋肉が動き出す。このあたりの説明は「だから最近、疲れやすかったのか…」と妙に腑に落ちました。運動が不安やパニック的な反応の“予行演習”にもなるという話は、とくに実感をともなって刺さる人が多いはずです。 この本のいいところは、走りすぎると逆効果になる場面があることまで含めて、現実的に語ってくれる点です。あくまで生活の中で無理なく続けることを前提にしているので、「毎日10キロ走れ」といった非現実的な要求はありません。むしろ20〜30分ほど身体を動かすだけで、思考の速度が上がったり、感情に振り回されにくくなったりする。その小さな変化をどう積み上げるかがポイントになります。 仕事で頭がぼんやりしがちな人や、最近ストレスに押し負けている実感がある人には、とくに刺さると思います。僕自身、「とりあえず歩くか」と気軽に動き出すきっかけをもらいました。脳のために運動する、という発想をいったん持ってみるだけで、日常の見え方が少し変わる本です。
読書インサイト
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