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冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)

冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)

管賀 江留郎

早川書房 / 2021-04-28

累計読者数6
平均ハイライト数 25.7件/人
推定読了時間 約6時間44分
star総合評価 72/100
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この本について

ときどき、自分でも気づかないうちに「きっとこうだろう」と決めつけていたり、限られた情報だけで他人を判断してしまったりします。頭では冷静でいたいのに、感情や思い込みに振り回されてしまうあの感じ、誰でもありますよね。仕事でも人間関係でも、一度そういうモードに入ると視界が狭くなっている自覚すら持てなくて、あとから振り返って落ち込むこともあります。 『冤罪と人類』が効いてくるのは、まさにその「無意識の決めつけ」がどれだけ普遍的で、人間の脳の構造に根を持つものなのかを、歴史の具体例とともに突きつけてくるところです。たとえば、情報が乏しいときに因果関係を勝手にでっち上げてしまう癖や、評判が人の人格そのものを形づくってしまう仕組み。「公平な観察者」のつもりでいても、実際には自分も完全じゃないという前提をどう扱うか。本書を読むと、判断のプロセスを外側から見直す視点が少しずつ増えていきます。 そして一番刺さったのは、「最初に物事を決めつけると真実は歪む」という、ごく当たり前なのに実行が難しい一点です。これは冤罪だけの話ではなく、日常のミスコミュニケーションや、チームでの認識ズレにもそのまま当てはまります。完璧さを求めるのではなく、目の前の事実をひとつずつ確認しながら精度を上げていく姿勢こそが、人間にとって現実的なやり方なんだと腑に落ちます。 自分の判断に不安がある人、感情と事実の線引きに悩んでいる人には、とくに刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

18歳の少年が死刑判決を受けたのち逆転無罪となった〈二俣事件〉をはじめ、戦後の静岡で続発した冤罪事件。その元凶が、“拷問王”紅林麻雄である。検事総長賞に輝いた名刑事はなぜ、証拠の捏造や自白の強要を繰り返したのか? アダム・スミスからベイズ統計学、進化心理学まで走査し辿りついたのは、〈道徳感情〉の恐るべき逆説だった! 事実を凝視することで昭和史=人類史を書き換え、人間本性を抉る怪著。解説/宮崎哲弥
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