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人間の絆(上)(新潮文庫)

人間の絆(上)(新潮文庫)

サマセット・モーム、金原瑞人

新潮社 / 2021-10-28

累計読者数3
平均ハイライト数 9.3件/人
推定読了時間 約6時間28分
star総合評価 53/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 57%

この本について

人と距離がうまく取れなかった日や、集団の中でふと「自分だけ違う気がする」と落ち込む日ってありますよね。周りと噛み合わない感じが続くと、自分の性格に問題があるのか、それとも世界のほうがズレているのか、判断がつかなくなっていきます。そんな時に『人間の絆(上)』を読むと、誰もが通り抜けてきた弱さや幼さが、少し別の角度から見えてきます。 この本の効きどころは、過度な励ましではなく、成長の過程でどうしても避けられない「痛みのリアル」をそのまま描いているところです。たとえば、他人の愚かさにいら立ち、知識に寄りかかって優越感を持ってしまう自分を直視する場面や、孤独が長く続くことで性格がねじれていく怖さ。それに、読書という救いが、同時に現実から自分を遠ざける面もあること。そのどれもがきれいごとではなく、でも不思議と読んでいて責められている感じがしません。むしろ、自分でも説明しきれなかった心の動きが言語化されていく感じがあります。 読み終わる頃には、選んできた道を後悔してしまう自分も、人とうまく関われず妙な孤立感に陥る自分も、「そういう時期があっても変じゃない」と少しだけ思えるようになります。誰かの成功談よりも、不器用に人生を歩くひとの姿のほうが、自分には効くんだよな…と感じる人に刺さる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

幼くして両親を失い、牧師である伯父に育てられた青年フィリップ。不自由な足のために劣等感にさいなまれて育ったが、いつしか信仰心を失い、芸術に魅了されてパリに渡る。しかし若き芸術家仲間と交流する中で、自らの才能の限界を知り、彼の中で何かが音を立てて崩れ去る。やむなくイギリスに戻り、医学を志すことになるのだが……。誠実な魂の遍歴を描いたS・モームの決定的代表作を新訳。
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