
サリエルの命題 (講談社文庫)
楡周平
講談社 / 2021-10-15
累計読者数4
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約6時間22分
star総合評価 32/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断が本当に正しいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。特に、情報が少ない状況で決めなきゃいけないときほど、妙な不安がつきまといます。僕もよくそこで足が止まります。 『サリエルの命題』を読んでいて印象的だったのは、未知のウイルスが島でどう広がっていくのか、その“過程”が丁寧に描かれているところでした。抜粋のように、搬送後の数時間のズレや、島民が全滅していた背景が少しずつつながっていく。こういう細部の積み重ねが、「判断ってこうやって組み立てていくんだよな」という現実的な感覚を思い出させてくれます。大げさなヒーローの話ではなく、限られた材料の中で仮説を立て、修正しながら前に進む姿が妙に刺さるんです。 もうひとつ、この本が効くのは“距離感のつかみ方”です。未知の事態に近づきすぎると恐怖に飲まれ、離れすぎると想像力が鈍る。物語の登場人物たちがそのバランスの中で揺れる様子は、僕らが日々の仕事で直面する迷いとそんなに変わらない気がします。だからこそ、ただのパニックものではなく、「自分ならどう考えるだろう」という読み方が自然に生まれます。 特に、状況が曖昧なときに思考が止まりがちな人には刺さる一冊だと思います。物語としての面白さはもちろん、判断の進め方を静かに教えてくれるところが、この作品の大事な魅力でした。
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出版社による紹介
少子化は正しい。問題は長寿だ。 突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。 そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。 助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。 迫真のポリティカル・サスペンス! <内容紹介> 悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。 日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
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