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自転しながら公転する(新潮文庫)

自転しながら公転する(新潮文庫)

山本文緒

新潮社 / 2022-10-28

累計読者数19
平均ハイライト数 7件/人
推定読了時間 約7時間18分
star総合評価 58/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 54%

この本について

仕事や家のこと、人間関係まで、どれも中途半端に抱えたまま回している感じが続くと、「ちゃんとできてないのは自分だけなんじゃないか」と不安になることがありますよね。誰かの将来を心配しているようで、実は自分の足元がぐらついているだけなんじゃないか……そう気づく瞬間、けっこうしんどいものです。 『自転しながら公転する』は、そんな揺れ方をしている人に妙に刺さる物語でした。登場人物たちは立派でも前向きでもなく、むしろ不安や焦りをごまかしながら日々を回しています。たとえば「幸せに固執すると心が狭くなる」ような場面や、「誰かとの関係が揺れると自分の価値まで揺れる」ような感覚が、とても生々しく描かれていて、読みながら自分の生活の癖を見せつけられる感じがありました。そして、不安の正体が相手ではなく“自分の側”にあるという指摘は、僕自身にも身に覚えがあり、ちょっとドキッとしました。 大きな答えが提示されるわけではないけれど、登場人物たちが少しずつ呼吸を取り戻していく過程を見ることで、「完璧じゃなくていいから、いまの自分のリズムで立て直せばいいか」と思えるようになります。環境や年齢に合わせて価値観が変わることを受け入れる描写も、肩の力を抜かせてくれました。 自分の生活にどこか違和感を覚えている人ほど、静かに効いてくる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。(解説・藤田香織)
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