
どうしても生きてる (幻冬舎文庫)
朝井リョウ
幻冬舎 / 2019-10-10
累計読者数28
平均ハイライト数 10件/人
推定読了時間 約4時間8分
star総合評価 44/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 11%
この本について
仕事も人間関係も大きな不満はないはずなのに、どこか水の底に沈んでいるような感覚が抜けないときがあります。ちゃんと暮らしているのに、誰とも深くつながれず、自分だけが世界から少しズレているようなあの感じです。理由がはっきりしないぶん、こじれたまま放置してしまうんですよね。 『どうしても生きてる』の抜粋を見ていると、多くの人が刺さっているのは、「健やかな論理」と「その裏側にあるどうしようもなさ」の距離なんだと思います。正しさの側に立って安心したい気持ちも、本音では誰にも見せたくない衝動も、どちらも人間の中に同時にある。その揺れを、朝井リョウは妙に整えず、そのままの形で置いてくれるんですよね。だから、読んでいると自分の鈍い痛みを他人に説明されたような気になる。 もう一つ大きいのは、「満たされているのにどこか欠けている」感覚へのまなざしです。貯蓄もあって、生活も安定している。なのにふとした瞬間に疎外感が押し寄せる。作中の人物たちの静かな亀裂や、言葉にしにくい澱みを追いかけていると、説明のつかないモヤモヤに名前を与えられるような感覚がありました。自分を変えられないまま生きている人の姿に、不思議と救われる部分もあります。 「ちゃんと暮らしているのに、どこか満ちきらないままの自分」を抱えている人には、特に静かに響く本だと思います。
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出版社による紹介
歩き続けるのは前に進みたいからではない。 ただ止まれないから。それだけなのに。 デビューから10年 。 進化し続ける著者の最高到達点。 死んでしまいたい、と思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。 『健やかな論理』 家庭、仕事、夢、過去、現在、未来。どこに向かって立てば、生きることに対して後ろめたくなくいられるのだろう。 『流転』 あなたが見下してバカにしているものが、私の命を引き延ばしている。 『七分二十四秒目へ』 社会は変わるべきだけど、今の生活は変えられない。だから考えることをやめました。 『風が吹いたとて』 尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が映されているような気がした。 『そんなの痛いに決まってる』 性別、容姿、家庭環境。生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。 『籤』
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