
ゲンロン12
飯田泰之、石戸諭、アレックス・イ・テックァン、井上智洋、海猫沢めろん、宇野重規、大森望、小川さやか、鹿島茂、楠木建、桜井英治、鈴木忠志、高山羽根子、竹内万里子、辻田真佐憲、榛見あきる、ウティット・へーマムーン、ユク・ホイ、松山洋平、山森みか、柳美里、東浩紀、上田洋子、福冨渉
この本について
政治や社会の話になると、「理想を語る人」と「現実を回す人」がきれいに分かれてしまう感じ、ありませんか。自分もそこにずっと違和感があって、どこで折り合いをつければいいのか迷っていました。正しさだけでは動かないし、かといって現実論に寄りすぎると何かを見落としている気がする。そのあいだで立ち止まることが多かったんです。 『ゲンロン12』を読んで少し風向きが変わったのは、「伝統をどう扱うか」とか「統治って何か」といった、普段は考えにくい視点を丁寧にほぐしてくれるところでした。たとえば、リベラルが弱くなる理由を「伝統の扱い方」に置き直す議論は、賛否はともかく自分の思考のクセに気づかされますし、表象の政治と統治の政治を分けて考える話は、モヤッとしていた部分に具体的な取っかかりを与えてくれました。また、「市民の関わり方はフルコミットだけじゃない」という視点は、無理に立場を固めなくてもいいんだと思わせてくれます。 派手な処方箋があるわけではないけれど、長年のモヤモヤに少しずつ輪郭をつけてくれる本でした。自分と社会の距離感に迷っている人にはとくに刺さるはずです。
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