
Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法
イーサン・クロス and 鬼澤 忍
東洋経済新報社 / 2022-11-18
この本について
仕事のことで頭がいっぱいになっている日に限って、同時にどうでもいい後悔や不安まで押し寄せてきて、気づけば「なんで自分はこうなんだろう」とぐるぐる考え続けてしまうことがあります。黙らせたいのに黙らないあの声は、意志の弱さとか性格の問題じゃなくて、ちゃんと仕組みがあるんだなと、この本を読んでようやく理解できました。 おもしろかったのは、「内なる声」が暴走するときって、自分にべったり寄りかかって視野が狭くなっている瞬間だという話です。一人称で自分に語り続けるほど沈みやすいとか、逆に10年後の自分を思い浮かべるだけで少し呼吸が戻るとか、具体的な行動レベルで試せる視点の切り替え方がいくつも紹介されています。さらに、誰かに助けてもらうときも、相手の踏み込み方ひとつで自己効力感が揺らぐなど、「他人との関わりが内なる声にどう影響するか」まで丁寧に書かれていて、思っていたよりずっと実生活に近い本でした。 読んでみて感じたのは、内省が悪いわけじゃなくて、距離の取り方が下手なだけなんだということ。視野をズームアウトする感覚さえつかめれば、同じ出来事でも心の中の物語がまるっきり変わるんだなと実感しました。 自分の思考の沼にすぐハマってしまう人、あるいは頑張りたいのに心の声に足を引っ張られがちな人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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