
イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学
牧 兼充
東洋経済新報社 / 2022-03-25
この本について
仕事でデータを見ていると、「これって本当に因果なのか、ただの偶然なのか…」と迷うことが多いですよね。数字は手元にあるのに、自分が立てた仮説がどれくらい現実を説明しているのか、いまいち掴みきれない。そんなときに、この本がけっこう効いてくれました。 著者が繰り返し扱うのは、因果と相関を区別するためのごく基本的な視点です。偶然なのか、第3の変数なのか、因果の向きが逆なのか。頭では分かっていても、実務の場面だとつい流してしまう部分に、もう一度丁寧に光を当ててくれます。また、ソローの生産関数をもとに「イノベーションとはKとLでは説明できないAの部分だ」という整理が出てくるのですが、これが個人の仕事にも意外とつながります。自分の成果がどこまで投入量で説明できるのか、その外側にある「A」をどう積み上げるのかを考えるきっかけになりました。 全体として学術的な内容も多いのですが、だからこそ「意思決定の根拠を自分で点検したい」というタイプの人にはちょうどよい距離感です。特に、なんとなく分析している時間が長いのに、自信を持って説明しきれない…と感じている方には、視点の補強になると思います。
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