
起業の失敗大全――スタートアップの成否を決める6つのパターン
トム・アイゼンマン and グロービス
ダイヤモンド社 / 2022-03-29
この本について
起業の話をしていると、「初期ユーザーが喜んでくれてるし、このままいけるんじゃないか」と自分を安心させたくなる瞬間がけっこうあります。でも時間が経つほど、あれは本当の手応えだったのか、それとも単に見たいものを見ていただけなのか…その境界がどんどん曖昧になるんですよね。僕もそこで何度も迷ってきました。 この本は、そういう“判断のブレ”を具体的な事例で直してくれます。アーリーアダプターの熱狂を市場全体に誤投影してしまう流れや、成長が順調に見えるほどスピードトラップに入りやすくなる理由が、妙に生々しく書かれていて、「あ、これは自分もやってた」と思わされます。もっと前の段階なら、スモークテストのような小さな確認で防げたのに…という悔しさとともに、次どう判断すべきかの基準が少しずつ形になっていきます。 また、創業者交代のリアルなデータや、現実歪曲フィールドの危うさなど、普段は“意識しないようにしている”部分にも踏み込んでいて、ヒューマンな失敗の構造が見えるのも良かったです。スタートアップの判断は気合いでは乗り切れず、環境・リソース・市場を冷静に見続けるしかないんだなと。 自分の感覚だけを信じて走りがちな人ほど刺さる本だと思います。コツコツ進めるタイプでも、判断の曖昧さに不安を抱えているなら、次の一手を決める視点をくれるはずです。
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