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異常【アノマリー】

異常【アノマリー】

エルヴェ ル テリエ and 加藤 かおり

早川書房 / 2024-12-04

累計読者数11
平均ハイライト数 4.5件/人
推定読了時間 約5時間8分
star総合評価 46/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%

この本について

日々生きていると、「自分の選択って本当に自分のものなんだろうか」とか、「この人生でよかったのか」とか、考えても答えの出ない問いに足を取られることがあります。仕事でも人間関係でも、どうにも割り切れない感情が残って、前に進んでいるのか停滞しているのかよくわからない。そんなときに『異常〔アノマリー〕』を読むと、世界そのものが揺らぐような設定のはずなのに、なぜか自分の足元がはっきりしてくる瞬間がありました。 同じ飛行機と同じ乗客が二度、三度と現れる。「運命」という言葉の曖昧さや、人生がどこまで自分のものなのかという感覚が、物語のなかで強制的に揺さぶられます。でもこの本が面白いのは、それを“恐ろしく大きな話”として扱うだけでなく、登場人物たちがどうやって日常を続けるかに焦点を当てているところです。たとえ自分がシミュレーションかもしれないと知っても、人は怒り、恋をし、迷い、惰性でメールを返し損ねたりする。その等身大の描写に、自分の悩みもそんなに特別じゃないのかもしれないと思えてきます。 特に刺さったのは、「希望が行動を止めてしまう」という指摘や、「無知はよき友」という冷静すぎる視点です。綺麗ごとではなく、都合のいい幻想にしがみついてしまう自分ごととして読めるし、それを自覚したうえでどう生きるかをそっと考えさせられます。決めつけではなく、選択肢そのものを見せてくれる本です。 世界の前提が揺らぐ瞬間に、自分の立ち位置を見直したい人に向くと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

〔ゴンクール賞受賞〕殺し屋、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男。彼らが乗り合わせたのは偶然か、誰かの選択か。パリ発の航空機がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、異常な乱気流に巻きこまれる。乗客は奇跡的に生還したかに見えたが。先読みできない衝撃のエンタメ小説! 解説/斜線堂有紀
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