
編集の提案
津野 海太郎、宮田 文久
黒鳥社 / 20220315
累計読者数3
平均ハイライト数 7件/人
star総合評価 40/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 24%
この本について
最近、人の話を聞いても頭の中がごちゃついたままで、結局「何を受け取ったんだろう」とモヤモヤすることがよくあります。正しさを言い当てるより、相手の言葉をどう受けとめ直すかのほうが難しいんですよね。しかも、こちらの中にも矛盾や裂け目があって、それをごまかしたまま会話すると余計に噛み合わなくなる。そのあたりで立ち止まってしまう人は多いと思います。 『編集の提案』は、そんな「聞く」「書く」「受けとめる」の迷いに、肩ひじ張らずに向き合うための視点をくれます。たとえば、話を聞きながら頭の中で少しずつ編集し直していく感覚は、自分の理解の癖に気づくきっかけになりますし、「如是我聞」のように“私はこう聞いた”といった立場の明示は、対話の責任を楽にしてくれます。また、自分の中の矛盾をそのまま抱えて進むという姿勢が、正解探しの疲れをやわらげてくれるのもありがたいところです。 人の言葉を受けとめるときの揺らぎや、書くと話すのあいだにある隙間を大事にしたい人に向いている本だと思います。読んだから急に世界が変わる、という類のものではありませんが、自分の中で言葉がどう形を変えていくのかを静かに見つめたいとき、そっと脇に置いておくと効いてきます。
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出版社による紹介
社会のなかにはきっと、「編集」がなしうることがある。そのヒントは、伝説の編集者・津野海太郎がつづってきた文章にひそんでいる――。晶文社での活動をはじめ出版文化の重要人物でありつづけ、テント演劇の時代からコンピュータの世紀までを駆け抜けてきた著者による、過去を携え、現在と共に呼吸し、未来を見すえる編集論集。
【目次】
実用本位の夢 編者によるまえがき
第1章 取材して、演出する
ほんのかすかでもいい、かれと私とをふくみもつ、しかも、かれや私をこえたものの声が聞こえてくればうれしい
テープおこしの宇宙/座談会は笑う/初歩のインタビュー術/雑誌はつくるほうがいい
第2章 人とかかわる、固定観念を脱する
「そういうのじゃない雑誌のつくり方はないのかな」
太い指とからっぽの部屋/植草甚一さんの革トランク/編集者としての植草甚一/雑誌のロンサム・カウボーイ
第3章 テクノロジーと歩む
コンピューターの世界にもいろんな裂け目がある。裂け目は固定的なものではなく、ひろがったり、ちぢまったり、動的に再編成されている
シロウトがつくったマニュアル/フランケンシュタインの相対性原理/パソコン通信で対話できるか
第4章 変化を編集する、編集することで変わる
新しい本のかたちが生まれる場所にはなんらかの民衆的な運動がある
本の野蛮状態のさきへ/森の印刷所/「世界の書」――アジアの髄からマラルメをのぞく
第5章 複製技術は時を超える
いまあるオリジナルの自分が消滅し、それがゆっくりと未来の世界のうちにとけこんでいく
印刷は編集の敵にあらず/子ども百科のつくりかた/晩年の運動/編集者というくせのゆくえ
鼎談・星座をつくりたい 津野海太郎×若林恵×宮田文久
読んだ内容を、もう忘れない。
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