
聞くこと、話すこと。~人が本当のことを口にするとき
尹雄大
累計読者数6
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star総合評価 74/100
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この本について
最近、人の話をちゃんと聞けているのか、自分の言葉はどれだけ本音に近いのか、ふと不安になることがあります。会議でうまく言語化できないと焦ったり、相手の話を理解したつもりになって「つまり」「要するに」で回収してしまったり。丁寧にしているつもりが、どこか空回りしている感じです。 尹雄大さんの『聞くこと、話すこと。』は、そういう「言葉まわりの息苦しさ」を一段ほどく手助けをしてくれます。印象的なのは、うまく話そうとするほど本音から遠ざかる、という指摘です。「わからない」と言えなくなるのは技術不足ではなく、時代が生み出す圧みたいなものなんだとわかるだけで、少し肩の力が抜けました。また、相手の話を自分の理解に寄せてしまう行為を「回収」と呼び、聞くこととはまったく別物だと示してくれるのも、この本ならではです。読むと、聞く姿勢そのものが静かに修繕されていく感覚があります。 さらに、この本は善悪や正しさの基準をいったん脇に置いて、目の前の現実をそのまま扱うための視点をくれます。不安を前提に動くのではなく、「雨漏りがしているから直す」というシンプルさに戻ること。その態度が、人との関係でも、自分の言葉でも効いてくるのだと思います。 自分の言葉に迷いがある人、あるいは「聞いているはずなのに伝わらない」と感じている人にとって、静かだけど確かな支えになる一冊です。
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