
動物たちは何をしゃべっているのか? (WPB eBooks)
山極寿一 and 鈴木俊貴
この本について
最近、オンラインだけで人間関係が完結してしまう感じに、なんとなく物足りなさを覚えることが増えました。文字だけでは意図が伝わらないとか、相手の反応が読めないとか、説明できないけれど噛み合わない感じが続くこともあります。自分の読解力の問題なのか、それとも現代のコミュニケーション自体にどこか無理があるのか。そんなモヤモヤを抱えている人には、この本はけっこう刺さるかもしれません。 読んでいると、人間のコミュニケーションって、本来はもっと身体的で、もっと音楽的だったんだなと気づかされます。ジェスチャーから始まった言語の話や、霊長類が母親にぴったりくっつきながら暗黙知を受け継いでいく過程を知ると、「文字だけで全部伝えようとするほうが不自然なのかもしれない」と視点が変わります。メールやチャットで途切れてしまうニュアンスの正体が、身体がないからだと言われると、たしかに…と妙に納得してしまうんですよね。 さらに、共食や音楽、焚火のような、身体を伴う共同体の仕組みがどうやって共感や道徳を生んできたのかが語られていて、現代の関係づくりをどうすればいいのかのヒントにもなります。一度でも会って身体が共鳴した経験があれば、その後のオンラインが格段に安定するという感覚も、日常の実感と重なります。 人と関わるときの違和感を言語化できずにいる人、あるいは「コミュニケーションって何なんだろう」と立ち止まったことがある人には、静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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