
この本について
歴史を勉強していると、「鎖国って結局どういう状態だったの?」「攘夷って打ち払いのこと?」みたいな細かいところがずっと霧のまま残ることがあります。知っているつもりの用語ほど、背景の文脈を結びつけて理解しようとすると一気に怪しくなるんですよね。自分もそうでした。 『攘夷の幕末史』は、そのモヤモヤを意外な角度からほぐしてくれました。たとえば、外国船を追い払ったのは家光の短い時期だけで、本来の鎖国はもっと穏便な「手出ししない」外交だったこと。あるいは、天皇と将軍という二重構造が西欧にどう見えていたのかが、ケンペルや外国船事件を通して具体的にわかること。そして、攘夷も単なる武力排除ではなく、国学や水戸学が育てた対外思想として成立していったこと。このあたりが一本の線でつながると、「幕末=混乱」の裏側にあった理屈や価値観がすっと入ってきます。 個人的には、幕府が朝廷を必要とし、朝廷も武家を必要としていたという関係性の説明が、頭の中の歴史地図をかなり書き換えてくれました。ロシアの南下やフヴォストフ事件、朝鮮との朝貢関係まで含めて、幕府が何を恐れ、何を守ろうとしていたのかが急に立体になる感覚があります。 近代化の手前で日本がどんな論理で世界を見ていたのか、その内側をちゃんと掴みたい人に刺さる一冊だと思います。
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
無料ではじめる
クレジットカード不要






