
新説 坂本龍馬(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)
町田明広
集英社 / 2019-10-12
累計読者数5
平均ハイライト数 6.8件/人
推定読了時間 約3時間22分
star総合評価 41/100
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この本について
歴史を読んでいると、どこまでが事実で、どこからが“物語”なのか分からなくなる瞬間があります。特に坂本龍馬まわりは、知れば知るほど「本当はどう動いていたんだっけ?」と迷宮に入りがちで、通説をそのまま信じていいのかモヤモヤが残るんですよね。僕も長くその違和感を抱えていました。 この本は、そのモヤモヤに正面から手を突っ込んでくる感じがあります。史料に立ち返ることで、これまでの龍馬像の“盛られた部分”と“見落とされてきた部分”がどちらも露わになっていく。たとえば、亀山社中が後世の整理によって生まれた概念に近いことや、ユニオン号調達の実態、さらには薩長同盟そのものの一次史料が存在しないことなど、教科書的イメージから一度距離を置かれる感覚があります。一方で、薩土融和での動きのように、過小評価されがちな役割が丁寧に浮かび上がってくる。龍馬の価値が上がるというより、「こういう立ち位置の人物だったのか」と輪郭が整っていく感じです。 司馬史観に慣れすぎていた視点をいったん外し、“物語としての英雄”と“実際の歴史の流れ”のあいだにある溝を確認したい人には特にしっくりくると思います。歴史の読み方をもう一段深くしたい時、教科書では見えてこなかった人物像を組み直したい時に、静かに効いてくる一冊でした。
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出版社による紹介
あなたの知っている坂本龍馬、フィクションではありませんか? 龍馬の名は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』など伝記小説から広まったため、実像と離れた「伝説」が生まれ、今なおそれが通説となっている。歴史学者が丹念に史料を読み解くことでわかった龍馬の実像とは!? 龍馬は薩摩藩士? 薩長同盟に龍馬は無関係? 亀山社中はあったのか? 大政奉還は龍馬のアイディア? など、新知見が満載。「英雄フィルター」を外してみれば、龍馬の真価が見えてくる。――(本書「プロローグ」より)私は、明治維新史を専門としているが、その主な対象は幕末政治史であり、さらに絞り込めば、薩摩藩を中心に研究を行っている。その他にも、攘夷といった対外認識論(外国に対する考え方、世界観)にもアプローチしている。そうした中で、とくに前者の研究において、龍馬の存在はきわめて重要である。しかし、史料にあたっていくと通説と違った龍馬の動向が散見され、過大評価された部分も少なくないと感じる。一方で、過小評価されていた部分も発見した。これは、龍馬の価値を高めることとなるだろう。こうした新しい龍馬を提示したい。
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