ヨムナビ
火喰鳥を、喰う (角川ホラー文庫)

火喰鳥を、喰う (角川ホラー文庫)

原 浩

KADOKAWA / 2022-11-22

累計読者数4
平均ハイライト数 4.8件/人
推定読了時間 約4時間8分
star総合評価 39/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 26%

この本について

ときどき、自分の中にどれくらい「生きたい」という気持ちがあるのか、ふと立ち止まってしまうことがあります。日々を淡々とこなしているつもりでも、何かに強く望んだり、逆に執着できなかったり。その差が、自分の人生をどこまで動かしているのかよくわからないまま進んでしまう。僕自身もそこがずっと曖昧なままでした。 『火喰鳥を、喰う』を読んで驚いたのは、人の思いが「匂いのように周囲に残り、場そのものを変質させる」という仮説が、ホラーでありながら妙に腑に落ちる形で描かれていたことです。生存欲求や執念がどれだけ世界に影響するのか、作中では極端な形で可視化されますが、その極端さがかえって自分の日常にもつながってくる。たとえば、何かを大事に思った瞬間の空気の変化とか、誰かの部屋に入った時の説明しづらい違和感とか。あれって本当にあるよな、と。 もう一つ刺さったのは、強い思いを持てない人間が「欠点」なのかという問いです。執着を避けて生きてきた主人公が、過去の選択を振り返らざるを得ないシーンは、たぶん自分を重ねて読む人が多い気がします。僕も、その場で踏み込めなかった経験がいくつもあって、思いの強さってどこまで自分を動かすのだろう、と考え続けました。 ホラーとしての怖さはもちろんありますが、読後に静かに残るのは「人の思いの重力って、たしかにあるよな」という感覚です。人の感情が場や関係に与える影響を考えたい人、執着や生の手触りについて一度立ち止まりたい人には特に刺さると思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

原 浩の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。 選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作! 「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏 「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏 信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要