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読むことのアレゴリー (講談社学術文庫)

読むことのアレゴリー (講談社学術文庫)

ポール・ド・マン and 土田知則

講談社 / 2022-12-15

累計読者数3
平均ハイライト数 19.3件/人
推定読了時間 約6時間29分
star総合評価 57/100
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この本について

文章を読んでいると、作者の意図を「当てにいこう」としてしまったり、自分の読みが合っているのか不安になったりすることってありますよね。特に難しいテクストだと、読みの手応えよりも、どこか追試しているだけのような感覚が残ることがあると思います。僕も長いあいだそのモヤモヤを抱えたまま読み続けていました。 『読むことのアレゴリー』が面白いのは、そういう「読み手の迷い」を外側から整理してくれるところです。作者と読者の区別すらテクストが作り出す効果にすぎない、という指摘は、読みの不安を煽るどころか、むしろ救いに近いものでした。読みは主体の技量ではなく、言語そのものがもつ曖昧さや、比喩がはらむ過誤の構造といった、テクスト内部の条件によって動かされているのだとわかるからです。さらに、この本では、隠喩の「過剰な真面目さ」や、証拠が言語的か非言語的かによって意味が揺らぐ場面など、具体的な文学作品を通して、読みがどんなふうに揺れ動くのかが丁寧に示されます。 大げさに人生を変える類の本ではありませんが、自分の読みが迷う理由を外から照らしてくれるだけで、だいぶ呼吸がしやすくなる一冊でした。テクストとどう向き合えばいいのかに悩み続けている人に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。ド・マンを領袖とする「イェール学派」は、第一世代に属するハロルド・ブルーム、ジェフリー・H・ハートマン、J・ヒリス・ミラー、第二世代に属するバーバラ・ジョンソン、ショシャナ・フェルマンの名とともに無数の輝かしい成果をあげてきた。その原点に位置するのが本書『読むことのアレゴリー』(1979年)であり、そこで全面的に展開されたド・マンの「脱構築批評」は文字どおり世界を震撼させた。 本書の一貫した主題は、言語の「比喩性」の観点から「読むこと」の本質を考察することにある。テクストに普遍的=不変的な意味を見出そうとする「字義性」に基づく発想をド・マンは虚妄として暴き出す。その帰結として高らかに宣言されるのが、言語はすべて比喩的である、というテーゼにほかならなかった。つまり、言語は絶えず自身とずれていく。それゆえ、語りは決定的な終結を迎えることに必ず失敗し、コミュニケーションはディスコミュニケーションとなる。例えば、アメリカのテレビドラマ『All in the Family』の一話で靴紐の結び方を聞かれた男が口にする「What’s the difference?」という言葉に見られるように、言語は常に「字義どおりの意味(literal meaning)」と「比喩的な意味(figurative meaning)」のあいだで宙吊りになり、意味の決定不可能性に直面するわけである。本書は、このことをルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにも見出される本質的な特性として示し、それらのテクストがみずからを脱構築し、さまざまな内部矛盾を遂行してしまうさまを鮮やかに浮かび上がらせる。 ド・マンの主著にして現代批評理論・現代思想の領域に聳え立つ一大金字塔──その定評ある明快な日本語訳を文庫版で手にできる快楽がここに生まれた。 [本書の内容] 序 文 第I部 修辞(学) 第1章 記号学と修辞学 第2章 文 彩(リルケ) 第3章 読むこと(プルースト) 第4章 生成と系譜(ニーチェ) 第5章 文彩のレトリック(ニーチェ) 第6章 説得のレトリック(ニーチェ) 第II部 ルソー 第7章 隠 喩(『第二論文』) 第8章 自 己(『ピュグマリオン』) 第9章 アレゴリー(『ジュリ』) 第10章 読むことのアレゴリー(『サヴォワの助任司祭の信仰告白』) 第11章 約 束(『社会契約論』) 第12章 言い訳(『告白』) 人名・作品名索引
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