
絶縁
村田沙耶香、アルフィアン・サアット、ハオ・ジンファン、ウィワット・ルートウィワットウォンサー、韓麗珠、ラシャムジャ、グエン・ゴック・トゥ、連明偉、チョン・セラン、藤井光、大久保洋子、福冨渉、及川茜、星泉、野平宗弘、吉川凪
小学館 / 2025-10-06
この本について
最近、誰かに気持ちを勝手に操作されているような感覚ってありませんか。自分の欲望が本当に自分のものなのか疑わしくなったり、社会のルールに合わせているうちに、いつの間にか自分の輪郭が薄れていくような瞬間があったり。特に家庭や性別にまつわる話になると、「こうあるべき」に押しつぶされそうになることもありますよね。 『絶縁』に寄せられていた抜粋を読んでいると、まさにその「どこから来たのかわからない圧力」に違和感を覚えている人が多いんだろうなと感じました。東京タワーから感情が流れ込んでくる、という比喩は突飛に見えて、実は“外から与えられる役割に飲み込まれる感覚”そのものなんですよね。母性が来ない、欲望が勝手に湧く、誰かに搾取されているように感じる。これらは現実でも言葉にしづらいのに、物語の中ではそのままの姿で置かれているので、読み手の中のモヤモヤを勝手に代弁してくれます。 もうひとつ、この本は「正しさよりも、生身の感情をそのまま見せる」ことをしてくれます。娘を“家畜のように扱ってしまった感覚”なんて、本来なら口にできない。でも、こういう言葉に触れることで、自分の中の黒い部分も含めて“あるものはある”と認めやすくなるんです。答えは提示されないけれど、その分だけ自分の内側を静かに覗き込める余白があります。 役割や期待に息苦しさを覚えている人には、かなり刺さると思います。誰にも言えない感情を、一度どこかに置いてみたいときに手に取ると、少しだけ視界が変わるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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