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普通という異常 健常発達という病 (講談社現代新書)

普通という異常 健常発達という病 (講談社現代新書)

兼本浩祐

講談社 / 2023-01-19

累計読者数59
平均ハイライト数 10.1件/人
推定読了時間 約3時間
star総合評価 57/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 32%

この本について

人と関わる時に、相手の気持ちが「わかったつもり」になってしまう瞬間ってありませんか。あるいは、自分が何をおもしろいと思っていたのかよりも、周りの評価に引っ張られてしまう感じ。そんなとき、なんとなく胸の奥にざらっとした違和感が残るんですよね。健常とか発達とかの区分とは別に、そもそも人間でいること自体がけっこう不安定なんじゃないかと思わされます。 この本は、そのモヤモヤを一段深いところで言語化してくれます。たとえば、健常発達だからこそ「色、金、名誉」に縛られ、周りの”普通”に合わせ続けるしんどさがあるという視点は、読んでいて正直ドキッとしました。いじコミみたいな他人基準の世界で生きていると、自分の実感がいつのまにか薄まっていく感じがある。そこに対して、本書は「それは個人の弱さではなく、構造としてそうなっている」と静かに示してくれるところが救いでした。 もうひとつ刺さったのは、「記憶なく、欲望なく、理解なく」という態度の話です。相手をわかった気になった瞬間に、こちらの思考が止まってしまう。日常のコミュニケーションでも同じことが起きていて、相手を本当に見ようとする余白をどれだけ確保できるかで、人との距離の取り方が変わるんだと実感しました。 自分の対人感覚に違和感がある人、あるいは「健常側」であるはずなのにしんどさが抜けない人には、かなり深く刺さると思います。自分の立ち位置を責めるでも肯定するでもなく、ただもう少し丁寧に見直すための一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ADHDやASDを病いと呼ぶのなら、「普通」も同じように病いだーー 「色、金、名誉」にこだわり、周囲の承認に疲れてしまった人たち。 「いいね」によって、一つの「私」に束ねられる現代、極端な「普通」がもたらす「しんどさ」から抜け出すためのヒント ●「自分がどうしたいか」よりも「他人がどう見ているか気になって仕方がない」 ●「いじわるコミュニケーション」という承認欲求 ●流行へのとらわれ ●対人希求性が過多になる「しんどさ」 ●本音と建て前のやり取り ●社会のスタンダードから外れていないか不安 ●ドーパミン移行過剰症としての健常発達 ●親の「いいね」という魔法 「病」が、ある特性について、自分ないしは身近な他人が苦しむことを前提とした場合、ADHDやASDが病い的になることがあるのは間違いないでしょう。一方で、定型発達の特性を持つ人も負けず劣らず病い的になることがあるのではないか、この本で取り扱いたいのは、こういう疑問です。たとえば定型発達の特性が過剰な人が、「相手が自分をどうみているのかが気になって仕方がない」「自分は普通ではなくなったのではないか」という不安から矢も楯もたまらなくなってしまう場合、そうした定型発達の人の特性も病といってもいいのではないか、ということです。――「はじめに」より
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