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名探偵のはらわた(新潮文庫)

名探偵のはらわた(新潮文庫)

白井智之

新潮社 / 2020-08-19

累計読者数4
平均ハイライト数 3件/人
推定読了時間 約4時間42分
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 47%

この本について

なんとなく自分の原点を思い出せなくなる瞬間ってありませんか。昔は夢中だったものも、大人になるほど「そんな暇ないしな」と流してしまいがちで、気づくと心がどこに向かっているのかよく分からなくなる。僕も最近その迷いが続いていて、そんなときに読んだのが『名探偵のはらわた』でした。 この物語の芯にあるのは、ただのミステリではなく、亘という少年が自分の世界を形づくっていく過程なんですよね。ふにゃふにゃになった記憶を抱えた祖父と団地で過ごす日々、文庫本を手にして探偵小説にのめり込む時間、そして浦野灸との出会い。どれも派手ではないけれど、「人ってこうやって作られていくんだよな」としみじみ感じました。抜粋が多く保存されていたのも、この原風景の描写に響いた人が多いからだと思います。 さらに、この作品は多重解決や特殊設定ミステリという仕掛けが入っていて、現実とは少しズレた世界で物事が展開します。そのズレが、逆に自分の思い込みを外してくれるというか、「あ、物事って一つの見え方だけじゃないよな」と素直に受け止められる余白になるんです。肩書きを巡る会話なんかも、日常のちょっとした違和感を丁寧に拾ってくる感じがあって、妙に刺さりました。 自分のルーツを忘れたくない人、あるいは今の視点が少し窮屈に感じている人にじんわり届く物語だと思います。ミステリとして楽しめるのはもちろんですが、読み終わったあとに、自分の中の「はらわた」みたいなものをそっと覗き込む時間が生まれます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

悪夢が甦る――。日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、また殺戮を繰り返し始めたら。新たな悲劇を止められるのはそう、名探偵だけ! 善悪を超越した推理の力を武器に、「七人の鬼」の正体を暴き、世界から滅ぼすべし! 美しい奇想と端正な論理そして破格の感動。覚醒した鬼才が贈る、豪華絢爛な三重奏。このカタルシスは癖になる!
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