
世界資源エネルギー入門―主要国の基本戦略と未来地図
平田 竹男
東洋経済新報社 / 2023-04-21
この本について
エネルギーの話って、仕事でも日常でもよく耳にするのに、実際のところ「日本は本当にどれくらい脆いのか」とか「世界はどう動いているのか」まで自信を持って説明できる人って多くない気がします。ニュースを見るたびに不安が増えるのに、背景を理解できていないモヤモヤだけが残る、みたいな感覚は僕自身ずっとありました。 この本は、そのあたりの霧をかなり晴らしてくれます。たとえば、日本のエネルギー自給率が11%しかない理由が“感覚”ではなく数字と歴史でつながるし、中東への原油依存がどれだけ大きなリスクかも、過去の戦争や現在の輸入ルートから冷静に見えてきます。逆に、天然ガスは中東依存が相対的に低いとか、明治の近代化が石炭の自給に支えられていた、といった意外な事実が、自分の中の前提をちょっとだけ更新してくれる感じがあります。 もうひとつ良かったのは、世界各国の戦略を「善悪」ではなく「事情と選択肢」で描いてくれるところです。シェール革命で米国が輸入国から輸出国になった背景、中国の再エネ産業が圧倒的に強い理由、欧州がガスや太陽光でどんな依存構造を抱えているか……それらを知ると、日本の立ち位置もただ弱いだけではなく、インフラや地理的制約の中でどう動かざるを得ないのかが見えてきます。 エネルギー政策って聞くだけで身構える人も多いと思いますが、「世界の動きが分からないまま不安だけが積もるのが嫌」という人にはかなり刺さるはずです。僕みたいに、仕事とは遠いようで実は地続きのテーマだと気づきたい人にも向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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