
わっしょい!妊婦
小野 美由紀
CEメディアハウス / 2023-07-04
この本について
妊娠や出産まわりの話って、どうしても「こう思うべき」という空気に押されやすいですよね。楽しみも不安もごちゃ混ぜなのに、周囲からの期待だけは大きくて、自分の感じていることが正しいのか分からなくなる。特に、「しあわせって言わなきゃいけない圧」が強い時期ほど、本音を置き場所なく抱え込みがちだと思います。 『わっしょい!妊婦』は、その押しつぶされそうなモヤモヤを、一度まっさらにしてくれる本でした。妊娠中の思考が急に働かなくなる感じや、胎児に身体も生活も支配されていく感覚、障害や性別への不安、そして「親の愛に全部頼るしかない社会」への違和感。どれも、当事者が口にしづらいところを丁寧に拾い上げてくれます。特別な物語ではなく、ただの「ちっぽけでありふれた経験」がどれだけ自分を変えていくのか、そのリアルな揺れがまっすぐ書かれているのが、この本の強さだと思いました。 読んでいていちばん響いたのは、作者自身が「怖さの正体」を何度も掘り下げていくところです。子どもの障害そのものより、社会の構造によって“母親だけが背負わされるもの”のほうが怖いという気づき。女児を産むことすらためらうほどのジェンダー格差への不信感。そして、他国の制度との差に感じるあのやりきれなさ。どれも、大げさに語らず、でも確実に心の奥を揺らしてきます。 妊娠中の人だけじゃなく、「社会の空気に自分の本音が押しつぶされそうだ」と感じたことがある人にこそ刺さる一冊です。自分の揺れを揺れたまま受け止めていい、と思わせてくれる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





