
武器としての図で考える経営―本質を見極め未来を構想する抽象化思考のレッスン
平井 孝志
東洋経済新報社 / 20230927
この本について
仕事の計画を立てても思ったように動けなかったり、数字ばかり眺めているのに本質がつかめない感じが続いたり。会議で議論が空中戦になって、結局どこが問題なのか誰も言い切れないまま終わる日もありますよね。自分もずっと「もっと情報を集めれば判断できるはずだ」と思い込んでいた時期がありました。 この本が面白いのは、そういう“認識のモヤ”を、図にしてしまうことで手触りのある対象に変えていくところです。図と言っても、難しいフレームワークを覚えるという話ではなく、抽象化して構造をつかむための道具として使う、という温度感。例えば「行動が意識を変える」という考え方を、計画の分解と結びつけて説明してくれるあたりがすごく実務的ですし、未来と現在のあいだにあるギャップをどう埋めるかを“見える形”にして議論できるのも、このアプローチの強みです。 読んでいて特に刺さったのは、図を描くことで論理のヌケ・モレだけじゃなく、他の問題との類似から解き方を持ってこられるようになる点でした。モジュール化という表現が出てきますが、「あ、この構造、前にも見たな」と思える瞬間が増えると、意思決定のスピードがほんの少しだけラクになるんですよね。数字ばかり増やすより、関係性を右脳と左脳の両方で捉えたほうが本質に近づける、という感覚にも共感しました。 自分と同じように、情報は十分あるはずなのに思考がからまってしまう人や、会議で議論の土台を揃えるのに苦労している人には特に刺さると思います。図で考えると言うと抽象的に聞こえますが、この本はあくまで現場の思考を整えるための実用書に近い立ち位置です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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