
皇帝たちの中国史〈新装版〉 (ニュー・クラシック・ライブラリー)
宮脇淳子
ワック / 2023-07-31
この本について
歴史の本を読むとき、「中央集権って結局どういう実態だったの?」とか「昔の中国って広すぎてイメージがつかめない…」みたいなモヤモヤが残ることがあります。教科書で習う用語は知っているのに、現場の肌ざわりが全然つかめない感じです。僕もずっとそこが腑に落ちませんでした。 この本は、その“実際どう動いていたか”の距離感をかなり丁寧に見せてくれます。たとえば、中央集権といっても皇帝は地方の細部にはまったく関わらないこと、県知事でさえ自腹で部下を雇うしかなかったこと。こういう具体の話を知ると、「制度の名前」ではなく「仕組みとしてどんな社会が成り立つのか」が急に立体的になります。また、地図では面に見える領域も、実際は点在する都市や村が細い糸でつながっているだけだったことや、黄河の気まぐれな流路が文明の形まで決めてしまったことも、妙に今の組織や社会を見る目を変えてくれます。 読みながら思ったのは、中国史を“ひとつの国の長い物語”として受け取っていた自分の前提が、けっこう根元から揺さぶられるということです。国名がころころ変わったのは、心の内側で国家意識が共有されていなかったからでは、という指摘も含めて、「ああ、そう見れば今の中国の姿も説明がつくかもしれない」と思わされました。 同じ用語を聞き飽きているのに、歴史の実像がどうにも掴めない人。そんな人には、かなり刺さると思います。僕自身、教科書で平板だった風景が、ようやく生きた社会として見えてきました。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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