
中国の歴史1 神話から歴史へ 神話時代 夏王朝 (講談社学術文庫)
宮本一夫
講談社 / 2020-10-09
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推定読了時間 約8時間32分
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この本について
仕事でも日常でも、複雑なものをつい「一つの流れ」にまとめて理解したくなる時があります。でも実際は、どの物事もいろんな地域性や背景がぶつかり合ってできていて、その複雑さに向き合うのがしんどい…そんなモヤモヤを抱えている人は多いと思います。僕も「中国史=大きな一枚岩」みたいに捉えてしまい、細部でよく迷子になっていました。 この本が面白いのは、まさにその「多元性」と向き合う視点をくれるところです。読者の方が保存していた抜粋を見ても、紅山文化や龍山文化、アワ・キビ農耕の北方への拡散、牧畜型農耕社会など、地域ごとの違いを丁寧に追っている部分に反応しているのが伝わります。歴史の流れというより、気候変動や生態系の変化と結びついて、文化や農耕がどう移り変わったのかが立体的に見えてくる。その結果、単純な“中華文明の起源”ではなく、「どうして一元的な中国像ができていったのか」というプロセスが腑に落ちます。 もう一つ助かったのは、交易や交流が最初から経済目的ではなく、社会的な立場を作るための行為だったという指摘です。こういう“人間的な動機”で歴史を見ると、現代のコミュニケーションや組織の空気まで妙に重なって見えます。文化の接触が、必ずしもきれいな物々交換の話ではなかったとわかるだけで、世界の成り立ちがぐっと身近になるんですよね。 大きな物語より「細部の違いから全体を理解したい」という人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
講談社創業100周年企画として2004年~05年に出版された全集「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版が、いよいよ刊行開始。本全集は、2014年には中国で、2016年からは台湾で翻訳出版され、そのレベルの高さと視点の新しさから累計で150万部を超えるベストセラーになっている。 待望の文庫化、第1回配本は、第1巻と第2巻の同時配本。第1巻では、長年、中国での遺跡発掘を手掛けてきた著者が、「三皇五帝」や「盤古伝説」などで知られる中国の神話の表す史実を探り、「夏王朝」「殷王朝」の謎に迫る。 中国の古代文明といえば、かつては「黄河文明」を指したが、現在では、長江流域をはじめ、各地の多様な自然環境から展開した多元的な古代文明と理解されている。現在の中国のさまざまな地域社会や風土を考える際にも、こうした先史時代から続く地域文化の脈絡を無視できないのである。約1万年前の新石器時代、南北の文化地帯の周縁でアワ・キビ農耕や稲作農耕が生まれ、そこから牧畜型農耕社会と遊牧社会が分離し、さらにその周辺には狩猟採集民が存在した。こうした基本的生活様式が誕生した中から、いかにして初期国家が生まれたのか。最古の王朝とされる夏王朝と二里頭文化の関係とは――。 文庫化にあたり、原本刊行後の重要な遺跡と発掘成果を大幅に加筆。〔原本:2005年、講談社刊〕
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