
日本人が教えたい新しい世界史
宮脇淳子
徳間書店 / 2020-03
この本について
歴史の話を聞くたびに、「なんで同じ出来事でも説明がこんなに違うんだろう」とモヤモヤすることが多いんですよね。学校で習ったストーリーと、ニュースや本で触れる話が噛み合わないまま大人になってしまった、という感覚を持っている人もいると思います。自分もずっとそこに引っかかってきました。 『日本人が教えたい新しい世界史』は、そのモヤモヤの正体をかなり丁寧に言語化してくれます。特に刺さったのは、歴史は「過去そのもの」ではなく、「過去の解釈」でつくられるという視点です。誰が、どんな環境で、どんな目的をもって記録したのか。その前提が違えば、同じ出来事でもまったく別の物語になる。この当たり前のようで見落としがちな視点を、実例を交えながら立ち止まって考えさせてくれます。また、因果関係をどう見るかや、時間の捉え方そのものが文化によって違うという指摘は、歴史の読み方を一段階深くしてくれる感覚がありました。 さらに、この本は特定の国や地域を断定的に語るというより、「史料を読むときの姿勢」を問う本でもあります。書かれた言葉がどこまで事実を反映しているのか、その背後にどんな意図が働いているのか。歴史を“武器”にしようとすればいくらでも物語はつくれるからこそ、読み手側の姿勢が試されるんだと気づかされました。 歴史の話を「そのまま受け取るのはちょっと不安」「でも自分なりにどう読めばいいのかわからない」という人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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