
1100日間の葛藤 新型コロナ・パンデミック、専門家たちの記録
尾身 茂
日経BP / 2023-09-25
この本について
コロナの数年間を思い返すと、「なぜあの判断になったのか」「誰が何を決めていたのか」が、当事者じゃない私たちにはよく分からないまま過ぎていった感じがあります。仕事でも同じで、データと現場感のあいだで揺れたり、役割が曖昧なまま意思決定が進んでいく場面って、けっこうありますよね。 この本は、あの混乱の渦中にいた尾身さんたち専門家が、何に迷い、どこでぶつかり、どう折り合いをつけて判断していったのかをかなり生々しく書いています。読んでいて刺さるのは、「科学的に確証がなくても、専門家として意見を言わないと役割を果たせない場面がある」という葛藤や、逆に「違う専門性が集まらないと正しい判断に届かない」という限界を、本人がはっきり語っているところでした。意思決定の裏側ってこんなに不確実性と価値観に左右されるんだと、妙に腹落ちします。 もう一つ大きかったのは、専門家と政府の役割分担が曖昧だったことで生まれた誤解や批判の話です。誰がどこまで責任を持つのかが不明確だと、現場の疲弊や属人的な働き方につながってしまう。これはどんな組織でも起きがちなことで、他人事じゃないと思わされました。 「不確実な中でも決めなきゃいけない場にいる人」「専門性の違うメンバーと仕事する難しさに悩んでいる人」には、かなり刺さる本だと思います。あの3年間を冷静に振り返るというより、自分の働き方や判断の姿勢を見直すきっかけになる一冊でした。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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