
恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで (中公新書)
春日武彦
中央公論新社 / 20230921
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star総合評価 82/100
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この本について
最近、理由のわからない不安に足を取られたり、頭では「大したことじゃない」と思っているのに身体だけが反応してしまう瞬間ってありませんか。自分でも説明できないし、人に話しても伝わらない。そういうときのモヤモヤに、小さく光を当ててくれるのが『恐怖の正体』でした。 この本が面白いのは、恐怖を単なる「感情」として扱わず、時間の粘り気が変わったり、身体が勝手にざわついたり、行動が妙に偏ったりする“現象”として見せてくれるところです。読者の方が保存していた「恐怖に心を奪われているとき、時間が濃密になる」という表現はまさにそうで、言葉にしづらい体験を代わりに整理してもらえたような安心感があります。また、恐怖を甘く噛み砕いた形で求めてしまう人間の癖や、倒錯や退行の欲求がどう働くのかなど、ちょっと触れにくい領域も冷静に扱ってくれるので、自分の反応が「変わっているから」ではないと思えるのも救いでした。 恐怖そのものを克服する指南書ではなく、恐怖に巻き込まれる自分を少し横から眺められるようになる本です。自分の不可解な反応に振り回されやすい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、おぞましいほど密集したブツブツの集合体、刺されば激痛が走りそうな尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体――。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家ととして活躍する著者が迫る。恐怖に駆られている間、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。死の恐怖をいかに克服するか等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。
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