
スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想 (集英社新書)
波戸岡景太
集英社 / 20231017
累計読者数4
平均ハイライト数 5.8件/人
推定読了時間 約2時間47分
star総合評価 33/100
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この本について
日々、情報に追われていると、自分の感情や感覚がどこまで本物なのか分からなくなることがあります。とくに写真やSNSの流れに触れていると、何か大事なものが摩耗していくような感覚が残るんですよね。強いわけでも弱いわけでもない、ただ「脆さ」を抱えたまま立ち尽くしてしまう瞬間があるというか。 この本でスーザン・ソンタグを辿っていくと、その“脆さ”をどう扱うかを、感情論ではなく思考の積み重ねで示してくれます。写真と人間の関係がいつの間にか節操のないものになってしまった理由や、痛みと脆さがどんなふうに私たちの身体や精神に入り込むのかを見つめ直すことで、自分が何に揺さぶられているのかが少し見えてきます。気合で乗り越える系の話ではなく、世界との距離感を調整するための視界が静かに広がる感じです。 とくに「自分の弱さをたださらけ出せばいいわけではない」とする視点は、SNS的なコミュニケーションに違和感を抱いてきた人には深く刺さるはずです。ソンタグが人生をかけて向き合った脆さは、現代を生きる私たちが避けて通れないテーマでもあります。 こんな人に刺さると思います。自身の感情や感覚の揺れを、もう少し丁寧に扱ってみたい人。
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出版社による紹介
進歩という名の暴力に対する、「知性」の闘い──クィア批評やメディア論における最重要人物、ついに入門書が誕生!【おもな内容】”反解釈・反写真・反隠喩”で戦争やジェンダーといった多岐にわたる事象を喝破した、批評家スーザン・ソンタグ。あらゆる脆さにあらがう、その「カッコよさ」は、しかし生誕から90年を迎え、忘れかけられている。本書は「《キャンプ》についてのノート」で60年代アメリカの若きカリスマとなったデビューから、「9・11事件」への発言で強烈なバッシングの対象になった晩年までの生涯とともに、ソンタグという知性がなぜ読者を挑発し続けるのかを鮮やかに描き出す。自身のマイノリティ性や病にあらがい到達した思想の本質とは。【目次】はじめに第1章 誰がソンタグを叩くのか第2章 「キャンプ」と利己的な批評家第3章 ソンタグの生涯はどのように語られるべきか第4章 暴かれるソンタグの過去第5章 『写真論』とヴァルネラビリティ第6章 意志の強さとファシストの美学第7章 反隠喩は言葉狩りだったのか第8章 ソンタグの肖像と履歴第9章 「ソンタグの苦痛」へのまなざし第10章 故人のセクシュアリティとは何か第11章 ソンタグの誕生終章 脆さへの思想おわりに【著者略歴】波戸岡景太(はとおか・けいた)1977年、神奈川県生まれ。専門はアメリカ文学・文化。博士(文学)〈慶應義塾大学〉。現在、明治大学教授。著書にThomas Pynchon’s Animal Tales: Fables for Ecocriticism(Lexington Books)、『映画ノベライゼーションの世界』(小鳥遊書房)、『ラノベのなかの現代日本』(講談社現代新書)など。訳書にスーザン・ソンタグ『ラディカルな意志のスタイルズ[完全版]』(管啓次郎との共訳、河出書房新社)など。
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