
怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ
森合正範
講談社 / 2023-10-26
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推定読了時間 約6時間14分
star総合評価 52/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、「自分はちゃんとやれているのか」「そもそも何が凄いのか判断できていないのでは」と不安になることってありますよね。私もよくあります。周りは軽々こなしているように見えるのに、自分だけ裏側が分かっていない感じがして落ち込むこともあります。 『怪物に出会った日』は、そんなモヤモヤに対して、無理に気合いを入れるタイプの本ではありません。むしろ、世界的なトップボクサーたちでさえ、相手を見くびらないことや、地味でつまらない基本を積み重ねることに悩み続けている――そのリアルさが静かに刺さります。勝者と敗者がどう相手を敬い、どう自分の弱さと折り合いをつけていくのか。リングの上の物語なのに、働く自分の姿と重なってしまう瞬間が多いんです。特に、敗者が勝者に夢を託し、勝者はその人生を背負って闘うという視点は、成果だけで人を測れない場面の多い日常にそのまま持ち込めます。 結局のところ、強さは派手さではなく、規律や準備に向き合い続ける地味な姿勢から生まれる。相手への敬意も、自分に克つという姿勢も、どれも“完璧な人だけができること”ではなく、悩みながら積むしかないものなんだと腑に落ちます。こういう地に足のついた言葉に触れると、張りつめていた肩が少しだけ下りる感じがするはずです。 派手な成功談より、人の本性がにじむ瞬間のほうに心が動く人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
ナルバエス、ドネア、河野公平、田口良一……井上尚弥との一戦に己の人生を賭けて挑んだ男たちは、「モンスター」の拳に何を見たか? 「みんな、井上と闘うなら今しかない。来年、再来年になったらもっと化け物になる。歯が立たなくなるぞ」 2013年4月、井上尚弥のプロ3戦目の相手を務めた佐野友樹はそう叫んだ。 それからわずか1年半、世界王座を計27度防衛し続けてきたアルゼンチンの英雄オマール・ナルバエスは、プロアマ通じて150戦目で初めてダウンを喫し2ラウンドで敗れた。「井上と私の間に大きな差を感じたんだよ……」。 2016年、井上戦を決意した元世界王者・河野公平の妻は「井上君だけはやめて!」と夫に懇願した。 WBSS決勝でフルラウンドの死闘の末に敗れたドネアは「次は勝てる」と言って臨んだ3年後の再戦で、2ラウンドKOされて散った。 バンタム級で史上初となる4団体統一を果たし、スーパーバンタム級初戦となったスティーブン・フルトン戦で2団体のベルトを獲得。進化し続ける「モンスター」の歩みを、拳を交えたボクサーたちが自らの人生を振り返りながら語る。強く、儚く、真っ直ぐな男たちが織りなす圧巻のスポーツノンフィクション。 【本書の内容】 プロローグ 第一章 「怪物」前夜(佐野友樹) 第二章 日本ライトフライ級王座戦(田口良一) 第三章 世界への挑戦(アドリアン・エルナンデス) 第四章 伝説の始まり(オマール・ナルバエス) 第五章 進化し続ける怪物(黒田雅之) 第六章 一年ぶりの復帰戦(ワルリト・パレナス) 第七章 プロ十戦目、十二ラウンドの攻防(ダビド・カルモナ) 第八章 日本人同士の新旧世界王者対決(河野公平) 第九章 ラスベガス初上陸(ジェイソン・モロニー) 第十章 WBSS優勝とPFP一位(ノニト・ドネア) 第十一章 怪物が生んだもの(ナルバエス・ジュニア) エピローグ 【著者略歴】 森合正範(もりあい・まさのり) 1972年、神奈川県横浜市生まれ。東京新聞運動部記者。大学時代に東京・後楽園ホールでアルバイトをし、ボクシングをはじめとした格闘技を間近で見る。卒業後、スポーツ新聞社を経て、2000年に中日新聞社入社。「東京中日スポーツ」でボクシングとロンドン五輪、「中日スポーツ」で中日ドラゴンズ、「東京新聞」でリオデジャネイロ五輪や東京五輪を担当。雑誌やインターネットサイトへの寄稿も多く、「週刊プレイボーイ」誌上では試合前に井上尚弥選手へのインタビューを行っている。著書に『力石徹のモデルになった男 天才空手家 山崎照朝』(東京新聞)。
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