
土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命
ゲイブ・ブラウン and 服部 雄一郎
NHK出版 / 2022-05-30
この本について
農業や家庭菜園をやっていると、「土が痩せてきてる気がする」「肥料を減らしたいけど、どう始めればいいのか分からない」といったモヤモヤってけっこうつきまといます。自分も同じで、とくに“耕すのが本当に正解なのか?”はずっと引っかかっていました。 『土を育てる』は、いきなり理想を押しつける本ではなく、著者自身が失敗しながら少しずつ土を変えていったプロセスが中心です。読んでいて腑に落ちたのは、土をよくする鍵が「たくさん手を入れること」ではなく、むしろ“土の生きものたちが働ける環境をつくること”だと分かる点でした。不耕起で時間と燃料が節約できるとか、カバークロップで雑草を抑えながら微生物の食料を増やすとか、どれも地味だけど翌日から視点が変わる話ばかりです。 もう一つ大きかったのは、肥料をゼロにするのが目的ではなく、依存状態の土をゆっくり回復させていくという考え方です。化学肥料を「悪者」と決めつけず、でも微生物との関係が断たれる仕組みは淡々と説明されていて、感情抜きで納得できました。だからこそ、何から始めればいいのかが見えやすいんだと思います。 土づくりに正解を求めすぎてしんどくなっている人、あるいは自然寄りの農法に興味はあるけど踏み出せていない人には、とくに刺さる一冊です。土をどう扱うかって、自分の暮らしや心の扱い方にもつながるんだなと静かに実感しました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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