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フィールド・レコーディング入門

フィールド・レコーディング入門

柳沢英輔

フィルムアート社 / 2022-04-25

累計読者数5
平均ハイライト数 6.6件/人
推定読了時間 約4時間24分
star総合評価 39/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 29%

この本について

ふだん街を歩いていても、気づけば視覚ばかりを使っていて、「音ってこんなに薄く扱ってたんだな…」と後からモヤっとすることがあります。景色は覚えているのに、その場の気温や空気の動き、足元のざらつきみたいなものは思い出せない。自分の感覚の偏りに気づく瞬間があるんですよね。 『フィールド・レコーディング入門』を読んで驚いたのは、録音という行為がこんなにも“その場に居ること”そのものになる、という話でした。マイクが拾う音とヘッドフォンから漏れる生音が混ざった独特の感覚とか、風に煽られないようにじっと耳を澄ませる緊張感とか、そういう身体ごとの「聴く」が丁寧に描かれています。録った音をあとでパソコンで聴くのとはまったく別物で、その瞬間の空気ごと受け取るような感覚がある。読んでいて、自分も無意識に切り捨てていた感覚がまだ残っているのかもしれないと感じました。 さらに、排水溝の奥や転がったパイプの中、樹木の内部まで、マイクの種類によって世界がまるで違う姿を見せるあたりは純粋にわくわくします。水の音を通して風景を聴くという発想も、自分の日常を少し違う角度から見られるきっかけになりました。大げさに人生が変わるとかではないけれど、耳の使い方がゆっくり更新される感覚があります。 日常の音に飽きている人や、世界の見え方を少し変えてみたい人に刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

記念すべき第1回音楽本大賞の「大賞」&「読者賞」をダブル受賞! 「録音」が開く、聴覚の新たな地平 木々のざわめきに、都市の喧騒に、民族音楽の背後に、固体を伝う振動に、水中の音環境に、私たちは何を聞き取ることができるのか? 実践と鑑賞を通じて、音の可能性を拡張する画期的音響文化論! 2000年代以降、小型軽量で廉価なデジタル・レコーダーの登場、そしてSNSの台頭により、フィールド・レコーディングという言葉を目にする機会がますます増え、「音」や「聴くこと」について人々の関心が高まりつつあります。 フィールド・レコーディングは、現代音楽やサウンド・アートの文脈、60年代末からつづくサウンドスケープと環境音楽、90年代では音響派ブームのなかで取り上げられる機会の多かった音楽ジャンルであると同時に、人類学・民族音楽学などの学術の領域での研究手法として、また電車や野鳥の録音をするような趣味としても広くおこなわれてきたものです。しかし、こうした文脈をまとまった形で取り上げ解説される機会は多くはありませんでした。 フィールド・レコーディングには響きとしての音楽的な面白さだけでなく、その音が生じる場所の歴史や生態環境、録音者の視点といった文脈が深く結びついています。本書は、こうしたフィールド・レコーディングが歩んできた様々な文脈を統合したうえで、その全体像を捉え直し、歴史、理論、実践方法を1冊で知ることができる内容となっています。現在的な視点からフィールド・レコーディングを網羅的に紹介し、そのすべてが理解できる国内で初めての1冊です。 ★フィールド・レコーディングより深く知るためのディスク&ブックガイド付き ★柳沢英輔×佐々木敦(思考家)×角田俊也(サウンド・アーティスト)による鼎談を収録 ブックデザイン:大田高充 カバー写真:エレナ・トゥタッチコワ
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