
聖乳歯の迷宮 (文春文庫)
本岡 類
文藝春秋 / 2023-11-08
累計読者数3
平均ハイライト数 2.7件/人
推定読了時間 約4時間47分
star総合評価 30/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 25%
この本について
仕事をしていると、自分の“ものの見方”が偏っていないか、不意に不安になることがあります。専門知識は増えていくのに、世界の複雑さには追いつけていない気がして、どこか取りこぼしている感覚が残るというか。僕もよくそのモヤモヤに落ちます。 『聖乳歯の迷宮』は、そういうときに視点を揺さぶってくれる小説でした。ユダヤ系の天才たちの話や、火山灰で人骨が残らない理由、貝塚なら可能性があるといった地味な知識まで、登場人物の思考がとにかく具体的に動いていくんですよね。偏った仮説を鵜呑みにするでもなく、かといって完全に切り捨てるでもなく、「世界はこんなふうに見えるのか」と歩幅を合わせて考えさせられる。ロマンと現実の距離感のつかみ方が、生々しくて妙に納得できました。 特に、クラシック音楽のことがわからないままホロヴィッツの言葉だけが記憶に残っている、というあの感覚。自分も理解しきれていない世界にずっと引っかかり続ける感じが、すごく人間らしくて、その“引っかかり”こそが思考を前に進めるんだと教えてくれます。 自分の視界が狭くなっている気がするとき、現実と想像の境界で迷いながらも手を伸ばしていく物語に触れたい人に刺さると思います。
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多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
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出版社による紹介
イエス・キリストの正体とは? 先端科学の知識と作家的想像力を駆使し緻密に組み立てられ傑作ミステリ。 日本版「ダ・ヴィンチ・コード」登場! 日本人考古学者・夏原圭介はキリスト生誕の地・イスラエルのナザレで、 〈イエスの乳歯〉と思われる歯を発掘した。 しかも、その乳歯からはホモサピエンスとは異なるDNAが検出された。 イエス・キリストは現生人類とは異なる〈人類〉だったのか? イエスの乳歯はセンセーショナルな話題を呼び、 神の実在が証明されたとして世界中でキリスト教をはじめとした 宗教ブームが湧き起こる。 夏原の旧友で新聞記者の小田切秀樹は夏原のインタビューに 成功する一方で、妻の夕海が勢いを増した新興宗教に 取り込まれてしまい苦悩する。 そんな折、夏原と同じく大学の同じサークルだった 沼修司が亡くなったとの知らせが届く。教師のかたわら、 源為朝の鬼退治伝説を調べていた沼は、 青ヶ島で調査中に事故死を遂げたらしい。 沼の妹から兄の遺品整理をして欲しいと頼まれた小田切は、 彼ら三人の恩師の娘で、やはり同級生だった秦野牧と一緒に 青ヶ島へ赴くが、そこで思いがけない事態に陥るのだった。
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