
正義とは何か (講談社現代新書)
森村進
講談社 / 2024-01-18
この本について
「正義って、結局どう考えればいいんだろう…」と、ニュースを見たり職場の議論に巻き込まれたりするたびに、うまく言葉にできないモヤモヤだけが残ることがあります。正しさを語るのは大事だと思うのに、どこから話を始めればいいのか分からない。自分もずっとそんな感じでした。 森村進さんの『正義とは何か』は、この“どこから語ればいいか問題”をほぐしてくれる本でした。特徴的なのは、正義を政治の話に限定せず、人と人の関係で生まれる価値として扱っているところです。たとえばロールズ以降の議論が分配や制度に偏りがちなのに対し、もっと素朴な「相手との関係で何が正しいのか」という視点を取り戻してくれる。プラトン、アリストテレス、ヒューム、ホッブズ…と正義観が全然違う哲学者たちを比較することで、「正義とは一枚岩じゃない」という当たり前だけど忘れがちな事実がクリアになります。 読んでいてありがたかったのは、正義が「結果のためじゃなく、それ自体で求められる価値」として説明される一方で、現代の政治的議論に引っ張られすぎないバランス感覚です。自分の職場でのふるまいや、誰かへの配慮、約束の扱い方といった日常レベルの判断にもちゃんと話が接続されているので、読みながら「これは自分にも関係ある話だな」と思えてきます。 制度論の議論にしっくり来なかった人や、「自分のなかの正しさ」を言語化したい人に向いている本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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