
計測の科学
ジェームズ・ヴィンセント and 小坂恵理
築地書館 / 2024-01-05
この本について
最近、仕事でも生活でも「数字に振り回されてるな…」と感じることが多くて、何をどこまで測ればいいのか、逆に何が測れないまま放置されているのか、よくわからなくなる瞬間があります。KPIの設定ひとつ取っても、便利さと窮屈さが同居していて、測ること自体が目的化してしまうあの感覚です。 『計測の科学』を読んで腑に落ちたのは、計測って本来もっと泥くさくて、人間の都合や歴史の偶然に満ちているという視点でした。たとえば「正確さ」の語源が「切り離す」である話は、何かを測るたびに別の何かを捨てているという当たり前の事実を思い出させてくれますし、土地を耕す時間で面積を決めていた中世の話は、「測り方が変われば、世界の見え方も変わる」ということを、妙に実感として受け止められました。さらに、可謬主義のくだりに触れると、私たちが頼りにしている基準も絶対ではなく、あくまで仮の目盛りの上で生きているだけなんだと、少し肩の力が抜けます。 測定やデータにまつわる圧に疲れている人、あるいは「この数値、本当に自分に必要なのか」と立ち止まりたい人にしっくりくる本だと思います。自分の日常の“基準”を見直すための距離感が、ちょうどよく手に入ります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの53%が集中しています。
読書の順序
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