
神の悪手(新潮文庫)
芦沢央
累計読者数3
平均ハイライト数 15.7件/人
star総合評価 55/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 36%
この本について
仕事でも人生でも、選んだ道が正しかったのか、ふと立ち止まってしまうことがあります。間違えたと分かっているのに戻れないときもあれば、そもそも「どれが正解だったのか」が分からなくなる瞬間もある。僕自身もよくその沼にはまります。 『神の悪手』は、そんな感覚に妙に触れてくる物語でした。登場人物たちは、決して万能でも強くもなくて、むしろ「最悪の可能性を飲み込んだ上で一手を選ぶしかない」状況に追い込まれていきます。無意識のうちに避け続けていた選択肢を突きつけられたり、信じていたものがひっくり返ったり、その瞬間のざらつきがやけにリアルです。そして、悪手だと分かっていても、それがその人の矜持を支えている場面にたどりつくと、自分の中の「間違いの扱い方」が少し変わる気がしました。 もう一つ刺さったのは、視点が変わるだけで世界の見え方がガラッと変わるところです。詰将棋のルールにひそむ“別解”の気配を読み取るように、思い込みの影に隠れていた事実が少しずつつながっていく感覚がある。自分が抱えているモヤモヤも、ただの「間違い」ではなく、別の道を示すヒントなのかもしれないと思えてきます。 選択の重さに疲れた人や、「どうしてあの一手を指してしまったんだろう」と自分を責め続けてしまうタイプの人に静かに刺さる一冊です。
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多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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出版社による紹介
俺はなぜ、もっと早く引き返さなかったのか――。棋士を目指して13歳で奨励会に入会した岩城啓一だったが、20歳をとうに過ぎた現在もプロ入りを果たせずにいた。9期目となった三段リーグ最終日前日の夕刻、翌日対局する村尾が突然訪ねてくる。今期が昇段のラストチャンスとなった村尾が啓一に告げたのは......。夢を追うことの恍惚と苦悩、誰とも分かち合えない孤独を深く刻むミステリ5編。
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