ヨムナビ
火のないところに煙は(新潮文庫)

火のないところに煙は(新潮文庫)

芦沢央

新潮社 / 2018-06-22

累計読者数6
平均ハイライト数 24.3件/人
推定読了時間 約3時間2分
star総合評価 67/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 47%

この本について

日常を送っているだけなのに、ふと「これ、説明つかなくない?」みたいな出来事にひっかかることがあって。理屈で片づけたいのに、片づけた瞬間のほうが逆に怖くなる。そんな“割り切れなさ”を抱えたまま生きている人は多いと思います。僕もその一人で、この本に出会ったとき、まさにその感覚を揺さぶられました。 『火のないところに煙は』が面白いのは、怪異そのものよりも、「人が未知をどう扱うか」を丹念に追っていくところです。霊能者や御札といった道具立てはあるのに、そこへ安易に“答え”を預けない。むしろ、探偵のように辻褄を合わせにいくほど事態が遠ざかる感じが生々しくて、虚実の境界線が少しずつ揺らぐ瞬間が何度もあります。著者自身が「私」として語り手を務める構造も効いていて、読んでいるうちに、自分の現実のほうが侵食されていくような心地になります。 そして、登場人物たちが見せる揺れ方が妙にリアルです。家族を思うがゆえの警戒心や、見透かされたときの耳の裏が熱くなる感じ、理不尽な責め方にうまく怒れないあの空気。怪談でありながら、結局怖いのは「怪異そのものより、人が追い込まれたときの思考や選択だよな」と静かに実感させられます。 “説明のつかないものを無理に言語化しようとして疲れている人”にはとても刺さると思います。怖がらせるだけの話ではなく、自分の中の曖昧さとどう向き合うかをそっと押し出してくれる一冊でした。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

芦沢央の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要