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深淵のテレパス

深淵のテレパス

上條 一輝

東京創元社 / 2024-08-09

累計読者数12
平均ハイライト数 9.6件/人
推定読了時間 約3時間37分
star総合評価 44/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

仕事でも日常でも、やれることは一応やったつもりなのに、状況が動かなくて焦ったり、無力感だけが残ったりする時ってありますよね。自分の判断が正しかったのか、もっと他に打ち手があったんじゃないかと逡巡ばかりして、前に進んでいる感じがしない。僕もそういう停滞の時間がけっこう長くて、気持ちだけが暗澹としていくことがよくあります。 『深淵のテレパス』を読んでいて印象に残ったのは、「全部やったか?」と自分に問う場面でした。答えがイエスなら、もうそこから先はあれこれ自責に走らず、果報を待つという姿勢に切り替えていい。これは放棄でも開き直りでもなく、必要以上に自分を追い詰めないための距離感なんだと思います。また、物語の中に散りばめられた習俗や道理といった言葉が、目の前の些末なことだけに気を取られがちな視界を少し広げてくれる感覚もありました。人物たちが臆面もなく心情をさらす場面は、自分ももう少し正直に揺れを受け止めていいのかもしれないと思わせてくれます。 過度なポジティブさで背中を押すタイプの本ではないですが、行動と気持ちの折り合いをどうつけるかに迷っている人にはしっくりくるはずです。こんな人に刺さると思います。やるべきことはやっているのに、心だけが置き去りになっているように感じる時の、静かな踏ん張りどころを探している人に。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「光を、絶やさないでください」 両選考委員大絶賛の創元ホラー長編賞受賞作 ホラーとして娯楽小説として、非常に高いレベルでまとまっていた。 ――澤村伊智 息長く活躍してくれそうな期待を抱かせる、大器である。 ――東雅夫 あなたが、呼ばれています。 あなたには、その声を聞くことができません。 私は、暗い水の底にいます。暗く、危険な場所で、あなたを待っています。 私は、姿かたちを変えて、あなたの前に現れる。 とても、醜い姿で。 恐ろしい私の姿を見たあなたは、正気を保っていられなくなるかもしれません。 私は、そうなることを狙っています。 ……あたなに伝えておきます。それが、私にできる唯一のことだからです。 光を、絶やさないでください。 (『ある女子学生の怪談』より抜粋) 「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントでとある怪談を聞いた日を境に、高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水──あの時聞いた“変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。
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