
金持ち農家、貧乏農家
高津佐和宏
かんき出版 / 2024-10-09
この本について
農業の本を読んでいると、「結局、うちの畑は何を優先すればいいんだろう…」というモヤモヤに必ずぶつかります。作物の様子は毎日見ているのに、収量や利益はなかなか安定しない。作業時間も増えるばかりで、どこにムダが潜んでいるのかすら分からなくなる瞬間があります。 『金持ち農家、貧乏農家』は、その行き詰まりに少しずつ風を通してくれる本でした。印象的だったのは、金持ち農家ほど“植物そのもの”ではなく“環境”を見るという視点です。発芽から収穫まで、どこでストレスがかかっているのかを冷静に見極めることで、収量を落とさずに済む。そのロジックを理解していくと、目の前の対処に追われるだけの農業から抜け出せる感覚があります。また、作業のムダが「探し物の時間」に集約されるという指摘は、農家でなくても日常にそのまま刺さるはずです。環境づくりも動線づくりも、結局は未来の自分を助ける仕組みなんだと腑に落ちました。 さらに、この本はお金の話も地に足がついています。利益を数字で捉え、まずは今の面積で最大化するという考え方や、無収入でも1年暮らせる備えを持つという現実的な視点は、「頑張ればなんとかなる」と気合いだけで進んできた自分にはとても痛く、でも必要なものでした。直販にしても「あなたから買いたい人」を増やす、というシンプルだけどごまかしの効かない軸が提示されます。 手元の作業に追われながらも、「このまま続けて大丈夫だろうか」と静かに不安を抱えている人に届く本だと思います。農業の話ではあるけれど、日常の判断や働き方にもそのままつながる気づきが多い一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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