
農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦 (文春新書)
川内 イオ
文藝春秋 / 2019-10-18
この本について
農業に限らず、自分の仕事が「どこにつながっているのか分からない」と感じる瞬間ってありますよね。誰が喜んでくれているのか見えないまま、目の前のルーティンを続けていると、だんだん熱も落ちていく。今回の抜粋を読んでいて、まさにそのモヤモヤと地続きの話だなと思いました。 この本が効くのは、まず「見えなさ」を分解してくれるところです。生産者が誰のために作っているか分からない現状、色や形ばかり評価されて味は二の次という市場構造、豊作なのに廃棄が生まれてしまう仕組み。読んでいて暗い気持ちになるというより、「こういう理由でしんどかったのか」と腹落ちする感覚があります。さらに、そこで止まらず、センシングやデータ活用で農業を“勘と経験頼り”から少しずつ言語化・再現可能にしていく人たちが出てきている。その姿が、仕事を改善したいのに何から手をつけるべきか迷っている自分にも重なりました。 もう一つ刺さったのは、小さな改善を積み上げた阿部梨園の例です。派手な成功談ではなく、現場の手触りのある工夫が全国に波及していく流れが描かれていて、「自分の仕事でも、こういう小さな変化なら作れるかもしれない」と素直に思えました。 現状を変えたいけれど、理想論より現場のリアルが知りたい人に刺さる本です。農業に関わっていなくても、働き方の行き詰まりや、自分の仕事を見える形にしたいと感じているなら、思いがけずヒントが拾えると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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