
新訳 ドリアン・グレイの肖像 (角川文庫)
オスカー・ワイルド and 河合 祥一郎
KADOKAWA / 2024-08-23
累計読者数4
平均ハイライト数 52件/人
推定読了時間 約5時間19分
star総合評価 61/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%
この本について
仕事でも人間関係でも、「感情に振り回されてるのに、自分が何を望んでいるのかはよくわからない」という瞬間があると思います。僕もよくそこで立ち止まってしまうのですが、『ドリアン・グレイの肖像』を読んだとき、その揺れそのものがひとつの“現実”として描かれている感じがして、妙に救われました。 登場人物たちは、恋にのめり込み、芸術に酔い、誰かの言葉に影響され、理性より衝動で動いてしまう。読んでいて怖いくらい人間くさい。とくに抜粋されていた場面の多くは、「自分でも説明できない欲望に引っ張られていく感じ」がそのまま形になっていて、こちらの弱い部分を容赦なく映し返してきます。感情に対して嘘をつくとどうなるか、逆に正直すぎると何が崩れていくのか。その境界線が静かに揺らいでいくのを見ていると、自分の中にもそういう危うさが確かにあるなと思わされます。 この物語が効くのは、派手な教訓ではなく、「人はこんなふうに変わってしまうことがある」という現実の重さです。自分の欲や恐れとどう折り合いをつけるのか、あるいは折り合いをつけられないまま生きていくのか。読んでいると、判断に迷ったときの“距離の取り方”が少し変わります。 自分の中の衝動や弱さをまっすぐ見られないまま、大人としての日々を続けている人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
The Picture of Dorian Gray by Oscar Wilde, 1891 「新訳の光に照らされて、生身のドリアンがそこに立っている! 紫水晶色の瞳、緋色の唇から、いま生きた言葉がこぼれだす。 名優によって役が飛翔するように、名訳は原作を解き放つ。」(鴻巣友季子) 130年前の作品なのに、めちゃくちゃ面白い 最新研究を反映した決定版!異端の名作を、最高に読みやすい新訳で! 純真な青年ドリアンは天使のような美貌を買われ、肖像画のモデルになる。それは素晴らしい出来になるが、快楽主義者ヘンリー卿に若さが有限だと気づかされ絶望。「永遠に若いのが僕で、年をとるのがこの絵なら、魂だって差し出す!」以来、青年に代わり、絵が年老いていく。誰かを裏切れば絵は醜く歪み、破滅させれば邪悪に黒ずむ。××すれば…。現実と虚構、同性愛の記号が交差する異端の名作。徹底解説91P。最新研究を反映した新訳! ●他社と違う! 河合訳のここがポイント ポイント(1) どの先行訳よりも読みやすく、面白く、原文の意味を忠実に伝える新訳。 ポイント(2) 最新研究に基づき、ワイルドの思想とテーマを明快に提示。 ポイント(3) 作品の時代背景や芸術観がわかる、読解に必須の訳注が47Pも掲載! ポイント(4) ワイルドを破滅させた同性愛裁判を詳説する訳者あとがきも44P掲載! ※ポイント(1)(2)について、詳しくは「訳者あとがき」を参照 目次 ドリアン・グレイの肖像 訳注 訳者あとがき
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