
マネジメントは嫌いですけど
関谷 雅宏
この本について
マネジメントをしていると、「正しく判断できているのか」「技術者の仕事を邪魔していないか」「そもそも自分が向いているのか」みたいなモヤッとがずっとつきまといます。僕自身、目の前の火消しにばかり反応して、いつの間にか“今できる解決”に寄せてしまうことが多くて、後から「あれ、これって根本的に変わってないよな」と落ち込むことばかりでした。 この本がよかったのは、そのモヤモヤをいきなり解消してくれるわけじゃなくて、視点の置き方を静かに変えてくれたところです。たとえば「もし間違っていたらどうするか」を最初から準備する姿勢や、技術者の時間を守るためにVPとの関わり方をあえて調整する判断など、現実のチームで起きる“具体的な場面”がそのまま描かれています。理想論ではなく、現場で手を動かしてきた人の目線なんですよね。そして、マネジメントを「未来を変えるための技術」として扱う姿勢が、やみくもな火消しから距離を置くきっかけにもなりました。 特に響いたのは、「問題を見つけた人が必ず解決しなければならない」という思い込みを外す考え方です。未来から逆算してみると、今の資源だけで何とかしようとする発想そのものが視野を狭めていたことに気づかされます。役割として振る舞うという話も救いでした。自分の性格や資質とマネジメントを結びつけすぎて潰れそうになっていた人には、ほんの少し呼吸がしやすくなると思います。 技術者と向き合うマネージャー、あるいは「自分は専門外なのにこの役目をやるのか」と不安を抱えている人には、とても静かに効く一冊です。
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