
資本主義はなぜ限界なのか ――脱成長の経済学 (ちくま新書)Toppoint
江原慶
筑摩書房 / 20251108
この本について
仕事や生活の中で、「成長って本当に必要なのかな」とふと立ち止まる瞬間があると思います。頑張って働いても生活は楽にならないし、環境問題もどんどん深刻になる。経済成長は良いことだ、と教え込まれてきたはずなのに、どうもその物差しでは説明がつかない感覚が残る。僕自身も、このモヤモヤをずっと抱えたまま日々を過ごしていました。 この本が面白いのは、成長そのものを否定するわけではなく、「今の成長の捉え方がズレているのでは」と一歩引いて見直させてくれるところです。例えば、経済の中にカウントされるものと、日々の暮らしで本当に重要な活動のズレ。外食が増えただけで“成長”とみなされるのに、家事はどれだけやっても数字に残らないという話は、かなりリアルに響きました。また、資源はすぐ市場化されるのに、廃棄物は見えにくいまま放置されやすいという指摘は、普段の生活感覚ともつながります。さらに、企業のもうけの裏側には労働者の見えない負荷がある、という構造の説明も、妙に納得させられます。 僕にとって、この本は「成長って、本当に“目的”なんだっけ」という問いを持ち直させてくれる時間でした。数字では説明されない生活のリアリティをどう扱うか、という視点をもらえた感じがあります。今の経済の動きにどこか釈然としない思いがある人には、きっと刺さると思います。
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